この5月に30歳になった. 30歳になったらブログを書こうと思っていたらいつの間にか3ヶ月以上も経ってしまった.
孔子がいう而立の年である.孔子のいう而立とは,独立した自説を持つという意味だったらしい.博士号もとったし自分で論文書いて発表したり弁護士と話して特許の申請ぐらいはできるようになったので多少は而立しただろうか?
30歳の僕は何者だろうか.僕はドローンの研究者である.ドローンを使って荷物の配達をするプロジェクトに所属する.残念ながら仕事内容を紹介することはできないのだが,博士論文で扱っていたようなセンサーフュージョンや航空機の航法システム周りの数学やアルゴリズムを専門としている.また,僕は素晴らしい妻の夫であり,宇宙一可愛い2歳児の父であり,休日にセスナを飛ばして遊ぶパイロットであり,入社後に自社株が爆上がりして年収X千万超えのラッキーマンである.
アトランタからシアトルへ,国の反対側へ生活を移して2年.アメリカ在住は累計で9年目に突入.20代の大半をアメリカで過ごすこととなった.シアトルから見えるレーニア山(Mt. Rainier) は形といい雪のかかり方といい富士山のようで美しい.アジア文化も楽しめるし,徒歩で気軽に遊びに行けるシアトルはアトランタよりも楽しい.
30歳というのは楽観的にみても人生の3分の1ぐらいは過ぎただろうか.アナ雪の映画で言えばエルサが「ありのーままのー」と歌い始めたぐらい.エルサも而立の時間帯で国を出て自立するのだ(年は21歳らしいが).まだまだ映画や人生が最後どうなるか分からないような時間であるが,映画や人生の一番の宣伝になるようなことを成すのもこの時間なのかもしれない.
真面目な中二病
さて而立の30歳,僕の30歳の自説として「真面目な中二病が未来を創る」説を掲げたい.
中二病というのは自分を愛する夢を見る病気なのだ.それはすごい才能のはずなのだが,夢ではなく現実に従ったことを求められる世の中では兎にも角にも生きづらい.周りと同じように生きられないならやはり病気なのだろう.
しかし,中二病という言葉が生まれる前から中二病だった僕に言わせてもらえば,僕は中二病だったからこそここまでやって来れた気がする.荒唐無稽な夢から自分の将来を考える.今自分が立っている現状から明日を考えない.最高にクールな自分を想像する.他人に笑われるぐらいの目標を持つのがちょうどいい.現状からスタートして,一歩一歩どうすれば達成できるか具体的に分かっている目標などたかが知れる.まずは中二病的発想からスタートする.
これは博士課程在籍中に僕が痛感したことでもある.ある授業を受けて特定の技術を身につけた,教科書を買って新しいアルゴリズムを学んだ.せっかく学んだのだから自分の研究に使ってみたい.こんな発想で進めた研究は総じてつまらない結果になった.達成したい目標が一番先に来ていないのだ.
しかし夢を見るだけでは不十分だ.真面目である必要が有る.勤勉であると書いてもいいか.未来を創るには先人が切り開いた道を学ぶ必要が有る.先人が築いた山の最高峰に登ってようやく誰も見たことのない未来を造れる.山は高い.
俗にいう理系の世界は特に山が高いのかもしれない.僕が扱う制御工学や航空工学にしても,中学数学,高校数学の上に大学で学ぶ統計や確率,線形代数,ベクトルの微積分,それを使ってリー代数,最適化数学.数値線形代数へと繋がっていく.純粋な数学や物理に携わる人たちはもっと山が高い.真面目に積み上げて来た武器があるから中二なアイディアを行動に移せる.
鳥人間コンテストで優勝すること,アメリカの大学院で博士号を取ること,パイロットになること,研究者になること,宇宙一可愛い子どもを育てること.これらは全て僕がかつて目標にしたことだが,夢でなくなったこれらの経験はもう真面目な僕の一部なのだ.この程度でうかうかはしていられない.僕はこの先宇宙に行き,億万長者になり,鳥人間コンテストを未来永劫ボク個人のスポンサーで運営し,人類が宇宙で暮らせる世界を造る.そんな荒唐無稽なアイディアが無限にあるのだから.真面目な僕が一番大きな夢を見る.
僕の中二病に浸かった中二病理論は以上である.最後にガンジーの素晴らしい言葉を紹介したい.
「はじめに彼らは無視し,次に笑い,そして挑みかかるだろう.そうして勝つのは我々だ.」
もしも誰かがあなたを笑うなら,勝利への道の半分は来ているのかもしれない.
最高にかっこいい。同じ日本人としてあなたを誇りに思います。
私にも偉大なハッカーとして世界をいい方向に変えていくという中二病な夢があります。
セキュリティエンジニアとして今年就活は無事決まりましたが、勉強すべき範囲が広すぎて途方に暮れたときに中村さんのことを思い出して勇気をもらいます。
僕は中村さんに比べて今ひとつ真面目さが足りない気がするので、見習っていきたいと思います。
中村さんも夢に向けてお体に気をつけてがんばってください。
地球の平和は私がなんとかするので中村さんは宇宙(そら)だけ見ていて大丈夫です。(笑)
>僕の30歳の自説として「真面目な中二病が未来を創る」
すごく納得しました。
信念を持って旧弊にとらわれず科学を進めた偉人たちを思い起こします。
2011震災のあとの鳥人間
東北大学ウインドノーツは東北人の心を
熱くした。まだ頑張れると奮い立たせて
くれた。その真ん中にいたのが中村くん。
泣いたよ。泣いた。心に響いたよ。
一生懸命生きる真面目な厨二病は最高です!
最近NASAの映像をよく見てます。
その中に中村くんが登場するのを
楽しみにしてます。
ウチの娘も同大学卒業しました。
私を宇宙へ連れてって!
高校生の時、あなたの鳥人間の動画を見て東北大を目指し、そして今東北大にいます
本当にあなたは僕のヒーローです
これからもきっとあなたの背中を追って生きることになりそうです
宇宙に行くあるいは宇宙開発に影響を与える夢、僕もかなえてみせます!
永遠の中二病!熱く生きたいです!
18歳のときにインターネットで中村拓磨さんを知りました。
鳥人間コンテストでおもしろくてカッコいいなと思ってネットで検索したら、このブログにたどり着きました。
それからずっとファンです!
ブログ更新されて凄く嬉しいです!!
現在僕は24歳になりましたが、田舎の製造業のちっぽけなイチ作業員です。
夢も忘れて、普通な日々をそれなりに楽しく過ごしてましたが、久しぶりに拓磨さんのブログを見て体が熱くなりました。
僕は頭も悪く、大学も行ってないのですが拓磨さんを初めて知った時の衝撃はいまでも忘れません。
明確な夢や目標に向かって頭も体もフルパワーで進もうとしている人をそれまで意識して見たことがなかったので。
「宇宙にいってきた。」そうブログに書かれる日をものすごく楽しみにしてます。ネットが存在する限りブログ見に来るのでまた更新待ってます!
いつか会って人生談聴きたいです!
永遠の14歳、熱いブログをありがとうございます。日々を変えるよう熱く頑張りたいと思います。