中村拓磨 × Takuma Nakamura

へぼパイロット奮闘記.いいね!いい人生だよ!

サイパンの海に息をする

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水の中.さっきまで重いと感じていたタンクや装備がどこかへ行ってしまったかのように体が軽い.心地いい浮遊感.目の前には綺麗な青が広がっている.修学旅行のときに沖縄の海でゴーグルをつけて潜った時と同じ景色.いや,もっときれいかな?

大きく息を吸う.海の中で息を吸う不思議な感覚.頭はなんとなく「ヤバイ」って信号を送ってる気もする.普通は人間が息のできる空間じゃないからね.でも全然苦しくならない.少し冷たい空気がシューという音とともに体に入ってくる.鼻ではなく,口呼吸をしなければならないのが少しぎこちない. 顔にくっついたマスクが気になる.

初めてスキューバダイビングをした興奮の瞬間.

さて,今回のブログでは,ぷらっとサイパンに1人旅してきたことを書こうかと.スキューバダイバーのライセンスを取ってきた4泊5日のサイパン旅行.いろんな人に出会い,いろんな景色を見て,本当につまりにつまった充実の旅行だった.いつも通り感想のメインは最終章なので,そこだけでも読んでくれると嬉しい.

(サイパンの海.奥にアメリカ海軍の戦艦が見える)

なぜサイパンへ行ったか?

なぜサイパンへ旅行に行くことになったか.とりあえず卒業も決まり,学会の発表も終わったところでタイミング良く数日間予定が開けられることになった.こういう時は旅行するに限る.

最初は香港にいる友人を訪ねようと思って,香港って何ができるんだろう?と調べてて.スキューバダイビングができそうで,スキューバやるならライセンスも取ろうってことになって,香港でライセンス取るの高くて,安いとこ調べてたらサイパンかグアムってことになって,先輩が先週グアム行ってたからサイパンにするか.で,サイパンになったわけだ.以上が決定するまで計1時間の適当っぷりだ.香港の友人には悪いが,彼とはアメリカで再会することにしよう.

スキューバは前からかなりやりたいなと思ってた.兄貴がかなり上のレベルのライセンス持ってて,伊豆とか三重とかで潜ってる.その話を聞いてておもしろそうだと思ってたのが一つ.あと,NASAのインターンシップに申し込む時に,スキューバダイバーとパイロットのライセンスだけがSpecial Certifications (特殊資格) 扱いだったのが2つ目の理由.楽しい上に資格が仕事でも評価されるなら嬉しいなと思った.あとは,将来宇宙飛行士になりたいと思った時に,訓練は水の中でやってたからスキューバの経験が生かせるかも?って思った.まぁ色々書いたが,ぶっちゃけ対して考えてない.趣味に理由なんてなくたっていいじゃない(笑)

サイパンってどんな感じ?

僕は旅行前に具体的な予定を立てない.とりあえず現地に行ってからぷらぷら散歩し,おもしろそうな物に向かう.到着するまで現地がどんなものか知らないことが多い.サイパンに到着する前にあったサイパンの情報は「スキューバダイバーのライセンス取得が安い,アメリカ,あったかい,太平洋戦争の戦場(?)」ぐらいだ.計画を立てていないので,当然観光地を全制覇することはないが,それを惜しいとも思わない.うまそうなものを買って食べ,カフェで会った人との会話を楽しみ,買い物の度に値切り,写真をとって歩く.そんな適当っぷりがなんとも楽しい.

そんな適当な感じで突入したので,新発見はいっぱいあった.まず,サイパンは観光客の9割以上が日本人らしい.そしてサイパンの主要産業は観光業だ.よって彼らは生きるために日本語を学ぶ.看板はいたるところ日本語で,ホテルもたいてい日本語で大丈夫.とはいえ僕が英語を話せると分かると,安心のため息をつき,笑顔で英語に切り替える店員もいた.なんだかんだアメリカだ.

サイパンの観光地は,フィリピン人や中国人が経営する店が多い.目立ったのはマッサージ.まともなマッサージからいかがわしいマッサージまで.片言の日本語で「ワタシxxxスル.ワタシxxxナメル」などと,露出度の高いお姉さんに服をつかまれて,後を着いて来られたときはすげー恥ずかしかった.”I have an amazing girlfriend” (素敵な彼女がいるんだ)と言って断った.悲しそうな目をするのが辛かった.いい人(客)見つけて下さい.ちなみにその後フツーのマッサージにも行った.現地で知り合った女の子が言うには,サイパンのマッサージは日本よりも大分安いらしい.フィリピン人よりも中国人の方がおすすめだと言ってた.僕も中国人が経営するマッサージ屋で3時間も全身もみほぐされた.男性は普通来ないのか,女性用の紙パンツに着替える様に指示された.更衣室も兼用で着替えている最中に女性店員に全裸も見られた.僕は変態なのでむしろ楽しかったが,一般的な男性のリアクションはどうだろう?というか男女兼用とか更衣室の意味なくね?

今回スキューバダイビングをするということでお世話になったお店はこちらのSEASHOREというショップ.スタッフさんは9割以上が日本人だったかな?客もほとんど日本人らしい.別に日本語対応のを選んだつもりはなくて,一番安いのを見てたら日本人のショップだった.とはいえ,サイパンのダイビングショップの多くは日本人経営らしい.日本人以外のは滞在期間中1組しか見なかった.

スキューバダイビングをする

今回僕はopen waterという,スキューバのライセンスの中では1番下のランクの入門ライセンスを取得した.入門といえども,これがあれば友人とインストラクターなしで潜りに行くこともできる.それの取得に1日半,プールで2回,海で4回,計6回の講習を行った.その後追加で3本のダイビングを行い,3日間ひたすら潜った.そりゃあ最終日にお姉さんに全身揉まれたくもなるわ.

サイパンでのダイビングはなかなかいいと思う.熱帯なので年中潜れるし,魚は珍しい色してるし,海綺麗だし.というのはもちろんだが,太平洋戦争の戦場なので,沈んだ船や,撃墜された飛行機などが海の中に眠っている.僕も沈船スポットへ行き潜った.皮肉なことに沈んだ船が美しい.まるで水族館のようだった.日本軍のスクリューは沈没から60年以上経った今も回るという.アメリカ軍のものは錆びてぴくりとも動かない.日本の職人達は当時からかっこいいようだ.

(マグロも見つけた!このサイズを見れるのはちょっとレアらしい)

ライセンスを取らなくてもスキューバダイビングはできる.僕はとくに理由なく,せっかくならライセンス取れる方がいいかな?と思って,ライセンスを取ることにしたが,終わった今は確実にライセンス取得することを勧める.理由は色々だ.

1.まず対して費用が変わらない.どうせライセンスとっても取らなくても,今回の4泊5日の旅行全体で見れば費用は10%ほどしか変わらない.
2.潜れるスポットが圧倒的に増える.というのも,ライセンス無しだとかなりの確率でビーチからのダイビングだが,ボートで連れて行って潜るスポットの方が,世の中には多くのダイビングスポットがあるらしい.
3.毎回講習を受けなくて済む.複数回潜る予定なら,毎回講習を聞くのは勿体ないんじゃないかな?たまにしか潜らないなら安全面でも聞いておく方がいいと思うが.
4.カッコいいじゃん.僕限定の話だが,パイロットのライセンスも持ってて,スキューバダイバーのライセンスも持ってる.まぁ車もバイクも乗れるし,自転車も1日300キロ以上漕ぐバカだ.水陸空制したと言うことにしておこう.もう地球は僕のものだ.次は宇宙か?とか言えるじゃん.カッコいいじゃん.

という訳だ.みんなもダイバーになろう!以上さらっとサイパン旅行でした.

サイパンの海に息をする

水の中.さっきまで重いと感じていたタンクや装備がどこかへ行ってしまったかのように体が軽い.心地いい浮遊感.目の前には綺麗な青が広がっている.修学旅行のときに沖縄の海でゴーグルをつけて潜った時と同じ景色.いや,もっときれいかな?

大きく息を吸う.海の中で息を吸う不思議な感覚.頭はなんとなく「ヤバイ」って信号を送ってる気もする.普通は人間が息のできる空間じゃないからね.でも全然苦しくならない.少し冷たい空気がシューという音とともに体に入ってくる.鼻ではなく,口呼吸をしなければならないのが少しぎこちない. 顔にくっついたマスクが気になる.

5m,10mと沈んで行く.水圧で耳が痛い.耳抜きをしながらゆっくりでいいと,インストラクターさんが手で合図する.こんなに深い水に潜ったことはない.尾鷲の川で素潜りして,息が苦しくなるまで深くまで行ったら,帰りの息がなくて死にかけたことをふと思い出す.たった水深10mでそこは人間にとっては死と隣り合わせ

海底に足をつく.月に立った宇宙飛行士はこんな気分だろうか.軽く海底を蹴っただけで体がふわふわと浮く.ワクワクした気持ちが止まらない.宇宙兄弟のヒビトがトレーニング中にやってたように,俺は宇宙飛行士!といいながら僕は思い切り海底をジャンプした.インストラクターさんが息を吐いて降りて来いと合図する.僕の謎の行動に少し戸惑っている.

空を見上げる.水面は銀色に光っている.空が揺れているように感じる.自分のはいた息がシャボン玉のように上がって行く.水面で泡が消えるのはまさにシャボン玉が割れたかのようだ.美しい.ニマッと笑った瞬間マスクに隙間ができて海水が入ってきてむせた.

海底から5mほどのところを泳ぐ.水深は15mぐらいか.フィンのついた足を動かすと前へ進む.大きく手を広げてみる.鳥になった気分だ.空を飛ぶというのはこういう気分か?体が水中に漂う.浮遊感がとても気持ちいい.眠ってしまいたい.サイパンの海は3月なのに30度を越え,目を閉じれば昼寝ができそうだ

魚が泳いでいる.熱帯魚とはどうしてこうもカラフルなのか?サンゴが海底に広がっている.5センチ伸びるのに25年かかるらしい.この大きさになるのに何年かかったのだろう?1000年,それ以上か?

いつまででも潜っていられる.どれだけでも深くまで行ける.そういう気分だった.

僕は飛行機が好きだ.空を飛ぶものが好きだ.空をとぶということにも書いたが,空を飛ぶということは新しい感覚をくれる.世界が小さくなる.宇宙が大きくなる.ただ,人力飛行機,セスナ,グライダーと色々なもので空を飛んで,人間は決して鳥のように空を飛べないんだなってのを知った.どれだけ頑張っても人間は空を飛べない.飛んでいるのは飛行機だ.翼だ.圧力差を生むように設計された金属の板だ.人力飛行機は限りなく自分で空を飛ぶ感覚に近いだろう.自分の足でペダルを回し,自分の力でワイヤーを引く.それでも空を飛んでいるというよりは飛ばされてる感覚

僕が空を飛ぶということに連想した「自由」というもの.自分の体で三次元を自由自在に動き回るといこと.コレは僕の経験した飛行機では辿り着けなかった.アクロバット飛行とかができる飛行機に乗れば,ちょっとは変わるのかも知れないが,鳥の様に飛ぶのとは全然違うだろう.スキューバでは,3次元を自由に動く,と言う点で僕のイメージした「鳥の様に」に限りなく近かった.歴史を思い出す沈船や,美しい景色や好奇心をそそる地下洞窟よりなにより,僕がスキューバで好きなのはこの自由に動き回ることかもしれない.自由になりたくて空を飛んだ人間が,逆に海底で自由を感じるとは不思議なものだ.

世界はまだまだおもしろいもので溢れている.僕は赤ん坊の気分だ.空を飛んで,海に潜り,今まで知らなかったものにふれ,五感が刺激されるのを感じる.小さな子供が,身のまわりのあらゆるものを触り,口にいれ,耳を澄ますうちに,ものの形や色や味を覚え,言葉を使うようになる過程のように,僕の脳細胞が新しくつながって行くのを感じる.僕の脳みそはまだ赤ん坊だ.Neural Development (神経発生) に終わりはない.

もっと別のところへ行きたい.山に登りたい.もっと深い海に潜りたい.宇宙にも行きたい.空を飛び,海へ潜り,僕はこんなにワクワクドキドキできたんだ.宇宙はどうだ?月は?火星は?と思うのは当然だろう?そしてその興奮こそが,僕が航空宇宙工学を専攻した原点だったはずだ.ここじゃないどこかに行きたいというのが原点だったはずだ.新しいものを感じれば,人間はもっと進化できる.そう思うとスキューバの経験は趣味に留まるものではないのかもしれない.どこかで僕の仕事とか夢とかに繋がってくるだろう.もっともっと潜っていろんな発見をして行こうと思う.

とても楽しかった.サイパンに行ってよかった.

最後に,スキューバをやっているとお姉さんの水着姿を見れる機会が多い.ウェットスーツを脱いだ時に現れるお姉さん達の濡れたビキニ姿は,僕の脳を最高に刺激する.Neural Development に終わりはない.普段は奥手な日本人も,海外でダイビングをするとなるとかなり大胆になるようだ.スキューバは素晴しい(はぁと)

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