中村拓磨 × Takuma Nakamura

へぼパイロット奮闘記.いいね!いい人生だよ!

メモ1

おおよそAir Disasterのシリーズ1に相当.

  • August 2 1985, Lockeed’s L-1011, Delta Air Lines Flight 191, Dallas Fort Worth, TX, USA
    • Dallas Fort Worth International (DFW) 空港での墜落.死者多数.生存者あり.原因はmicroburst. サンダーストーム&超高気温によりmicroburstが起きやすい状態になっていた.当時はDoppler気象レーダが備わってなかったので予測不能であった.既にshort finalにいた機体はrunway手前で追い風側のmicroburstに入り失速.高速道路にいた自動車一台を巻き込み(即死)墜落.この事故の後にNASA LangleyがDoppler方式,Infrared方式,templarature方式のmicroburst検出器を開発して,飛行機に取り付けてmicroburstに突入しまくるという荒業の開発を行う.結果Doppler方式が良さそうだということで,機体に取り付けられたりHigh-riskの空港にDoppler方式のレーダーが取り付けられたりすることになった.
  • July 23 1983, Boeing 767, Air Canada Flight 143, Gimli, Manitoba, Canada
    • 燃料切れによって当時封鎖されていた元空軍基地へのemergency landing.死者なし.Gimli Gliderの別名を持つ事故.原因は燃料量が足りないままの離陸.燃料量を教えてくれるFuel Quantity Indicating Systemが故障していたのでパイロット達はfloatstick (小型セスナとかだとdripstickを使う)を使って直接燃料を確認したが,lbとkgの計算を間違えていて,燃料が必要量の半分ほどしか入っていないことに気づかなかった.給油を担当した人も同じ計算ミスをした模様.なお,当時の767は初めてkgでの燃料表記をした機体とのこと.給油する際は燃料を堆積(litter)で測り,パイロット側は重量で燃料を要求するので,その換算の際にlbとkgの計算ミスが生じたとのこと.なぜ半分ほどの燃料だったかは1lbが0.453kgでおおよそ半分だからだ.緊急着陸する際にoverrunしそうだったのでside slip(エルロンとラダーを逆方向に切ってスピードを上げずに降下)している.パイロットはグライダーの経験者だったらしい.sideslipはセスナでも時々やる.ちなみにエンジンが止まってもRam Air Turbine (RAT) と言われる機体の移動によって生じるairstreamで回るタービンで発電し,hydraulic pumpを動かし最低限のコントロールはできるらしい.Transponderはこれで動かないので通常のレーダーからは消える.
  • June 12 1972, McDonnell DC-10, American Airlines Flight 96, Windsor, Ontario, Canada
    • カーゴドアの一つが吹っ飛び機体に穴が空いた.圧力差で上方の客室床がカーゴ側に引っ張られコントロールの一部を破壊,一部ジャミング.デトロイト空港へ緊急着陸.死者ゼロ.ラダーは左にフルで切られた状態で動かなくなり,3つ有るエンジンのうち第2エンジンが操作不能.エルロンとエレベータは非常に鈍いが使える状態だったらしい.エルロンのみの旋回によりバンク角があまりつけられない状態で着陸.カーゴのドアは一般的な機体では機体前方に向かって開くように作られ,何かの拍子でドアの鍵が開くようなことがあっても,風圧で押し返されドア自体は開かないように設計されるが,DC-10はカーゴスペース確保のために上方に開くドアにした.設計上のミスで,実際にはドアが固定されていなくてもドアを締めるハンドルは下がり切るような設計になっていて,コックピットに表示されるドアロック確認用のライトも消える.ドアの欠陥にはAirworthiness Directives (ADs, by FAA) が発行されることはなかったもののMcDonell側は,ロックされない状態でドアが閉まることを構造的に不可能にすることとカーゴの圧力が下がっても客室が吸われるのを防ぐ修正をすることに同意.ただし,その修正はロックを長くしたり,確認用の小窓を作ったり,サインカードを貼り付ける程度のものだった.なお,高度30,000ftでの気圧はおおよそ26,000 Pa, 0.25気圧ほどで,機内は0.8気圧ほどに保たれる.(ちなみに0.25気圧程度では人は2-3分で気絶する.近年の飛行機だと気圧減少と同時に酸素マスクが降りるが,これは12分程度しかもたない.その間にパイロットが高度を下げる.)外部構造には55,000 Paほどの圧力が加わる.この圧力差に一番効率よく耐えるため,応力集中の起きない円形(というかパイプ)のものがコックピットにはよく使われる.
  • March 3 1974, McDonnell DC-10, Turkish Airlines Flight 981, outside Paris, France
    • 上記Windsorの事故と全く同じようにカーゴのドアが吹っ飛び,吸い下げられた客室がコントロールシステムを破壊.Windsorのケースと違ってメインコントロールのhydraulic systemと予備のワイヤーによるコントロールを破壊.エンジンの2/3とラダー,エレベータが使えなくなり制御不能.超高速で墜落.生存者ゼロ.2年前と同じ事故を防げなかったということでものすごく非難をあびてMcDonnellは業績不振へ.(ちなみに1997年にボーイングに吸収される.)防げた事故であったのに,人名よりもビジネスを優先させた糞ケースとして有名.ちなみにDC-10はオヘア空港で離陸直前の機体がエンジン落下させて離陸直後に墜落.200人ほど殺してるし,コンコルドの飛ぶ滑走路にエンジンの部品落としてコンコルドのタイヤ破裂させて墜落(113人死亡)させてるしヤバイ.他にも色々あったはず.
  • November 28 1987, Boeing 747-200B Combi, South African AIrways Flight 295, Mauritius, Indian Ocean
    • 完全なる事実は今も不明.全員死亡.火事の後に海に墜落.水深5000mへ沈んだ.莫大なお金と時間を使い,ボイスレコーダーの回収は当時異例の超深海調査により発見.ただし原因解明にはならなかった.貨物に秘密裏に輸入される武器が搭載されており,それが発火したの説があるが不明.火災が通常では考えられないほど高温になっていたことや,消化がもの凄く大変だったのでヤバイものが載っていたという噂がたった.この747は火災対策が実は十分でなかったことが後の検査で発覚.通常客室はカーゴよりも高圧に保たれていて,万が一火災が発生しても,圧力差により煙が客室に及ぶことがないという設定(実験もされていた)だったが,超高温の火災が発生すると実は客室側に煙がいくことが判明.(PV=nRTのやつかな?温度が上がれば圧力も上がる.)改善のためにADが発行された.ちなみにボイスレコーダやフライトデータレコーダにはpingerというビーコンがついていて,位置を教えてくれる.バッテリーで3ヶ月ほどは稼働するが,今回はpingerのシグナルが発見できずに潜水機のカメラでボイスレコーダが発見された.飛行中にドアを開けて煙を出そうともしたらしい.スピードを落とせば(200 knots?)飛行中でもドアを開けられるとのこと.パイロットがATCと
      • “Confirm Runway 13”
      • “Charlie, charlie”
      • “Affirmative, you are cleared to direct to foxtrot, foxtrot”
    • Charlie, charlieはcopy&correctの意で「了解,正しい」となる.古い表現のはず.Foxtrot, foxtrotは注意を引いたり再優先の意のはず.
  • January 8 2003, Beechcraft 1900D turboprop, Air Midwest Flight 5481, Charlotte, NC, USA
    • 離陸直後に急激なピッチアップ状態になり失速.回復できないままハンガー脇に墜落.21人全員死亡.離陸直後の燃料たっぷりだったため大炎上.原因はエレベータの調整ミスとWeight & Balanceのミス.作業員がワイヤー調整の課程を手抜きしたため,エレベータのダウン角が通常の半分ぐらい(14度が7度へ)までしか可動しない状態に気づかなかった.失速するとノーズを下げて回復しようとするが,エレベータのダウンが十分に切れないために回復できなかった.なお失速後は左に旋回して墜落.(失速して墜落する飛行機ってだいたい左に旋回して墜落するイメージだけど,ピッチアップ状態だと,p-factor, エンジンのカウンタートルク,slipstreamが尾翼の右側にあたるなど色々な理由で左側に落ちるんだろうなぁ.)でも実は事故原因はそれだけではなかった.その日の実際のtakeoff weightを推定(測った荷物の重さと,乗客のかかった病院の医師などに連絡)したところMTGW (maximum takeoff gross weight)をかなり超過していた.しかもtail-heavy. 基本的にWeight & Balanceの計算をするさいは平均の重さを使う.当時は人は175lbs, 荷物 (carry-on)は20lbsで計算したらしいが1960年代から使われていた値でアメリカ人はそれからかなり肥大化.平均は195lbsになっていた.(手荷物も平均25lbsほどへ増加)この事故を機にWeight & Balanceに使う平均値は更新された.基本的には小型機の方が計算エラーによる影響を受けやすいので,小型機ほど詳細に計算するはず.(小型機は年齢別,性別で重量を分けるが大型機は性別だけとか.)空港の搭乗口の床下に体重計置いといて,航空券かざすときに自動で体重,座席からリアルタイムで計算すればいいんじゃないかと思うんだが.
  • April 4 1977, Douglas DC-9, Southern Airways Flight 242, New Hope, Georgia, USA
    • Hailの中を飛ぶうちに両エンジン停止.Dobbins (MGE) へdivertするも(その後さらにCartersville (VPC) へ変更)辿りつけずに高速道路にforced landing,で失敗して墜落.72名死亡,生存者あり.Huntsville-Atlanta間の飛行の予定だった.気象レーダーはsignal attenuationの原理で雲の位置や降水量を測る.超音波を出してamplitudeの減衰率および反射の時間から雲・雨を推定.ただし,超ヘビーな嵐だと,そもそも超音波がかなりdeflectしてしまって観測できなかったりする.パイロットたちはその嵐が一番強くてシグナルが返ってこない嵐の部分を雲がない部分で突っ切れると誤解.嵐の一番やばい点へ直進.嵐に巻き込まれる.激しいhailによってエンジンのカウルがわずかに損傷.圧縮空気が正常に後部に流れずにsurgingを起こす.通常はsurgingが起こってもbleed valveが複数あるコンプレッサーブレードの間にあって過剰な圧力を逃がすが,それがヒョウによって塞がれた.コンプレッサー内部の圧力が異常に高くなっているにもかかわらずパイロットは高度を上げるためにエンジン出力を上げる.結果,コンプレッサーのブレードがぶっ壊れてエンジンflame out.現在はsurgingが起きた際はエンジンをアイドルにするようにマニュアルに載っているらしい.エンジンが止まると多くの計器が使えなくなるがAPU (Auxiliray Power Unit) でメイン計器は復活.アメリカの南東部は高温多湿のサンダーストームが発生しやすい環境に有る.ちなみにradarが雲や飛行機を画面に写すことに”paint“という動詞をよく使う.空港への方角を管制に聞くときに”vector to airport XYZ” のような”vector”の使い方がある.
  • June 23 1985, Boeing 747-200B, Air India Flight 182, Atlantic Ocean
    • トロントからロンドンのHeathrow空港に行く途中に爆弾によって空中爆発.329名全員死亡.この事故機からは事件解決への有効な手がかりが見つからなかったが,東京成田空港でどうようの手口(チケットを購入し荷物をチェックインするがその機体には搭乗しない.)による荷物が爆発.その荷物が本来はAir Indiaでロンドンに行く予定だったことから同時テロと想定して調査.機体の破片から爆発の痕跡を発見してテロと断定.当時のx線検査はあまり精度が高いものではなく,加えて荷物を検査したトロント空港ではx線検査機が壊れていたため手持ちのexplosive snifferによって調べたが,beep音が違ったため爆発物ではないと判断しそのまま載せた.事故後,爆発にも耐えられるcontainerが開発されたりもしたが,値段や実用性(簡単に使えなくなる?バイクのヘルメット的な?)により一般的にこのcontainerが使われることはない.なお,voice recorderやflight data recorderにはpingerというビーコンがついていて通常37.5kHzでシグナルを送り,改定に沈んだ場合も回収できるようになるが,調査隊が42kHzの周波数のシグナルしか海底から検出できずにそれではないだろうと推定.後の調査で,損傷したpinderはシグナルの周波数が変わる可能性を示唆され,42kHzのシグナルのところに調査班を送ったところ無事ブロックボックスを回収できたらしい.
  • Feburary 6 1996, Boeing 757, Birgenair Flight 301, Dominican Republic
    • ドイツ,フランクフルト行き.ピトー管が塞がれていたこと,それに伴うオートパイロットとパイロットの操作ミスで墜落.189人全員死亡.離陸時に貴重側のAirspeed Indicatorが正常に作動していないことに気付くが離陸を決行.(当時はクルーが数週間家に帰れていない状態で,早く帰りたいという心理もあり離陸を決行した説も有る.)Airspeed Indicatorの不具合に気づいたタイミングで離陸をやめていれば無事に止まれていたらしい.この757は数週間使われていない間ずっとpitot tubeにカバーがかけられていなかった.筒状のものに巣を作る習性が有るwasp (ハチの一種)がpitot tubeに巣を作っていた説が有力だがpitot tubeは墜落現場から見つかることはなかった.pitot tubeが詰まり,static pressure sourceが正常の場合,高度上昇にともない相対的にpitot tubeサイドの圧力が上昇しているように認識される.airspeed indicatorはこの圧力差が機体のairspeedによるものと判断するためairspeed indicatorはaltimeterのように動作する.機長はこの動きをairspeed indicatorが回復したと誤解.なお,当時のautopilotは複数あるairspeed resourceのうち機長側のものだけを使っていたため高度上昇にともないautopilotはスピード超過だと誤解.副機長側のairspeed indicatorは正常だったのだが,互いに異なる動きをしていたことから機長は両方故障していると誤解.実際は既に失速寸前の機体のthrottleを落とし失速.その後の失速回復処理も正しくなかったため墜落.なお757はswept backの翼を持つ.swept backの翼は高速領域での圧縮空気によるwave dragが発生するスーピドを上げることに役立つ.(つまりwave dragなしで飛べるレンジを広げる.)ただし,低速領域では翼のspanwiseに流れる空気(spanwise flow)のせいで空気の流れが乱れ剥離しやすい状態になる.757を超低速領域で操縦するのは容易ではない.低速だとエンジンにちゃんと空気も流れないだろうし.なお,失速の警告としてyokeは振動し,それと同時にautopilotは解除される.757だとピッチ15度ぐらいが限界領域らしい.この事故後,autopilotのresourceは簡単に切り替えられるようになったらしい.
  • December 29 1972, Lockeed L-1011, Eastern Air Lines Flight 401, Miami, Florida, USA
    • クルーがnoseのlanding gearのライトに気をとられている間に墜落.生存者あり. 2000 ftに設定したautopilotが高度を維持しているはずであったが,パイロットが不意にyokeを触った際にautopilotは解除されたと思われる.ライトは電球が切れていただけで,nose landing gearはちゃんとロックされていた.クルー全員が電球に気を取られて気づかないうちに墜落したことからCRM (Crew Resource Management) の代表例として教科書によく載っている.autopilotは指定された高度から外れている(200~250 ftぐらい外れると鳴るはず.)アラームを鳴らしているがクルーはギアのチェックで席を外していたり,バルブをチェックしていて聞き逃している.